2010年9月29日水曜日

もの・こと・ことば

もの・こと・ことば

「コト」が時間の経過とともに進行する行為を言うのが原義であるのに対して、「モノ」は
推移変動の観念を含まない。むしろ、変動のない対象の意から転じて、既定の事実、避けがたい定め、普遍の習慣・頬右側を表す。

日常的な表現があるからこそ様々な事象をモノに算入できる。日本独特の構文がなかったとすれば、国語学的にモノという詞の語義を万象に拡大することは及びもつかなかったであろう。

われわれは日常、事態的に自己同一的なあるモノを想定し、それがしかじかの関係においてはAであり、しかじかの関係にあってはBとなる。

関係規定は当体にとって決して外的・遇有的なものではなく、それはまさしく当体の内実に属し、当体をたらしめている所以の規定性である。
真の実態と呼ばれるに値するものがあるとすれば、総世界的な関係態そのものにほかならない。

現前する「あるもの=図」は彼-此の関係の次元にあるとき(私の価値観のうちで区分可能な次元)、「このもの」・「かのもの」と呼ぶことが出来る(所有格を付すことができる)

世界現相の具象的な様態、作図的な図柄の分節模様は言語的活動の介在によって激変するにせよ、現相「統-轄」の基本的な構成そのものについては“言語以前的な準位”に即して予め考察しておくべきであろう(問題は本論文で考察する対象範囲のフレーミングをどのくらいに定めるかを規定しなければいけないことにあろう)

フェノメナルに現前する諸々の「もの」は、基質的には同等でも属性のあるものについては不等であったり、属性のあるものについては同等でも基質的には不等であったりする。
これらの分岐的書性質もまた、概して内省的に知覚されるものである。

関係の第一次性⇒実体 第二次性⇒関係 と我われは捉えがち。いな、これすらも考えられない人は多数存在しよう。 実体あっての関係?しかし、言語において存在しないものについて語る時、実態はどのように考えるべきであろうか?



あるものを分岐的と確知したとき、別のある質的規態として策定される。
真っ白な紙の上にある点々⇒黒い模様⇒図(与件)

example  x (a) fa) f(a) A  このように数学的関数的に考えることも可能。
当初のxは他者の思考をめぐって、f(a)へと至りうる。

象徴が象徴として成立するのは、言語を解しての間主観的交通の準位をもっているから。
例えば、異なる言語間において象徴は伝達されえないはずである(互いに相手の言語を理解できないとして)

経験論においては単純な感覚的印象への還元をコトとするのに対して、合理論では単純な知性的観念からの論理必然的な複合化を志向する。前者は直感的でもあり、後者は慎重的でもある。

言語無しに精神のアクチュアルな活動は存在しえない。言語活動と思考活動は不可分な一体をなすに違いない。

言語記号は事物と呼名を結びつけるのではなく、概念と聴覚映像を結びつける。
レヴィの神話と言語機能についても考察するべきであろうか。

D.ヒューム:他の無限な数の観念を抱合しうるのは、ひとえに習慣(各国の文化)によってのみ可能である。

一旦発せられた言葉の意味は、現実の変易とはかかわりなく、いわば自己同一性を保持する。火事という言葉の意味は、火事が消えても、火事の観念が薄れても、けっして消え去りはしない。

学術講演を聴いたり、学術書を読んだりする際、我われは心像の現出を欠いたまま理解が進捗する。その言葉に対して、観念的な像をあてがうことで我われはそれを理解した気持ちになっている。

時枝:「聴き手の受容しうるものは、単に音声あるいは文字であって、限定されたラングではない。聴き手は自らの主体的な統合作用によって、これをある特定事物に結合して理解するに過ぎない。」


言語活動におけるダイナミズムの問題:あるときに、あるモノを指して、あるモノを定義づけた。しかし、その当のものは、時間と共に変化しているのであり、あるときに定義づけた当のものではありえない。

関数が同じでも、人により各々の「モノ」にたいする変位が異なる。F(x1) F(x2) F(x3) etc…

記号の凡化:他者たちから矯正される体験を通じて漸次確立するのであり、所与xが所知(a)としてあるのは、単に私という一私人にとってではなく、世人一般に対してであるという間主観的な対他者的妥当性のbeliefが随伴している。

判断にとって、表象の随伴は必然的な契機ではない。従って、判断の意味成体は、それ自身は決して結合表象ではなく、判断の意識作用は表象を結合するはたらきに存するわけではない。

疑問や仮定と判断が別たれるのは、陳述様相の差異性においてである。
⇒自己が備え持つ客観的妥当性の天秤にかけて、「判断」を下す。判断が下せない時、疑問や仮定となる。

「意味」は、言語記号が間主観的交通において媒介的に演ずる指示・述定・表出・喚起の諸機能と相関的に、多重的な諸契機からなっており、単質的に定義付けられるものではない。

「こと」は必ず誰かに属すること。X(a)であるということが誰かに対して対妥当するという存率構造は、認識論的主観に対する対妥当性として捉え返される。


※新しい見解としては、「こと」の諸属性くらいであろうか。ソシュールと時枝の論考の域を脱しきれない間がある。

働き方革命

働き方革命(社会企業家)

働き方:過去の大人の働き方に従っていて、はたして日本の未来は大丈夫なのだろうか?
デフェクトポイントを見つけ出し、よりよい方向へ向かわせることができるビジネスモデルを創出し、実践していく。

変化が変化を誘発する。日本の未来をかえられるのはわれわれ2030代の若者にちがいない。

キャパシティの拡大:拡大の余白部分に何を詰め込むのか。多くの人は仕事を詰め込んでしまうが、一歩立ち止まって、何が自分のために、社会のためになるかを考えてから、っその時間の使い方を考えてみるべきであろう。

プライベートと仕事をわけない。働くとは「傍を楽にさせること」。すべてのものに楽をさせることこそ、働くの語源に違いない。

裁量権を持った仕事:自分でハンドリングができ、自分で決められる。よって結果は自分の責任になるが、そのぶん達成感も大きく成長していく。

仕事だけに専門特化しないことが、職場において働くことだけを「働く」としないことが、逆に仕事を充実させる。モチベーションさえ高ければ、人はあらかたどんな困難でも乗り越えようとがんばるものだ。

日本が今後直面する、少子化・社会保障の破綻危機は他の国でもいずれ起こりうる社会問題。日本が成功モデルをしめせれば、他の国の社会問題をコンサルタントすることができる。そして、日本人は社会貢献することができる。

一つの知識が新しい「なぜ」を引き寄せて、そのなぜがまた新しい知識を呼び込む。YES

たまたま

たまたま

確率を支配する原理や概念の発達について、政治、ビジネス、医療、スポーツといった人間の営みの中でそれたどのように関わっているか。われわれがランダムネスや不確かさを前にしたときの選択の仕方や、われわれを誤った判断、不幸な決断へと仕向けるプロセスについて述べる。

偶然が関係する状況を人間が分析する時に使う神経系のメカニズムは、進化的要素、脳構造、個人的経験、知識、情動の複雑な産物。

技術は平均的に徐々に上昇する傾向を示すが、時折プラスに振れたりマイナスに振れたりする。これをもって好調・不調とするのはいかがなものか。
(多くの人間がしかることで人が成長すると感じているのも、マイナスに振れたときに当人をしかっているからであることが多い。)

ランシング:フォレストガンプ、タイタニックなどを成功に導いた敏腕マネージャ。しかし、数年の業績不調が鯨飲で自ら退陣の意志を固める。皮肉にも、彼女の退陣後に彼女が仕掛けた映画がヒットすることになるのだが。

確率を使う際に十分な注意が払われないなら、それは人を欺くものになりかねない。幾何学においてもそうである。

可用性バイアス:過去を構築する際、最も生き生きした記憶、それゆえ最も回想しやすい記憶に保証の無い重要性を授けてしまう。

ファイマン:ある理論を真に理解する唯一の方法は、それを自分で導き出すこと。

三つの扉のうしろに1万ドルが隠されている。後の二つははずれ。いま、私が扉を一つ選択し、MCが二つの扉のうち一つをあける。ここで、私は選択した扉を変えることが出来る。このとき、選択を変えるほうが100万円を獲得する確率が上がる、なぜ?
私が最初に選んだ確立は1/3 残りの二つに100万円がある確立は2/3 そのうちの一つをMCはあけて見せてくれているから、単純に1/2となるはず…しかし、答えは2/3である。なぜなら、母集団として2/3の郡の確率は変わらない(郡の扉は一つしか残されていないのだから)


<夫が浮気している場合に>夫がこそこそする確率と、<夫がこそこそしている場合に>夫が浮気している確率は違う。
ベイズ理論:テーブルから二つのボールを転がす。一つ目が停止したポイントと二つ目が停止したポイントから、確率を議論していく。ベイズは一つ目のボールの位置を二つ目のボールの位置データから一つ目のボールがそこで止まる確率を決定していく。

いつだって失業率は0.1%動く。5%から4.9%に下がったとして、失業率が改善したと言い切れない。(メディアはこぞって誇張に報道するものだ。)

カント:ひとは、しばしば他人と対立してでも、自分自身の気持ちに従って自分自身の目的を追う。わかっていればほとんど重んじるコトの無いような目的でも、誰もがそれを促進するように作用する。

ほとんどの分野において大いなる成功者になるには少なくとも10年の勤勉、訓練、奮闘が必要。10年も続けていれば、チャンスがめぐってくる可能性は十分に高くなる。

不確かさを前にしたとき、データの中のパターンを評価し判断を下すためにわれわれが使う多くの簡便手法⇒ヒューリスティクス

何かをコントロールしていると感じようとする心理的欲求により、ランダムな事象の正確な認識が阻害されることはしばしばある。

確証バイアス:自分の先入観を裏付ける証拠を優先的に探し求めるだけでなく、曖昧な証拠を自身の考えに有利になるように解釈する。

小数点以下3桁の数字(0.263)で平均値を出す場合と6桁の数字(0.263541)で平均値をだす場合とでは、後々算出される平均の値が異なってくる。小さな変化でも大きな変化を生み出す…バタフライ効果。

小さな要素が集まると特段強みの無い会社が競争相手を凌ぐようになる。偶然の出会い、偶然の取引、偶然のわかれがとんでもないも結果をもたらしうる。

FREE

FREE

執筆に辺り、著者は19世紀終わりのアメリカの大衆医薬品メーカーから、中国の海賊品市場まで調査。贈与における心理、ムダをめぐる倫理観の変化を探った。
ちなみに、スタバにてイヤホンを耳に入れながらネットブックを使い、グーグルドキュメントにて執筆した。

ジェロ(ゼリー)を売るにあたり、無料でジェロのレシピを配った。これが大ヒット。
あるモノをタダで上げることで別のものの需要を生み出した。

レディオヘッド:自分達の音楽を無料提供。こうすることで、より多くの人に音楽を届けられ、ファンを獲得することができる。そして、ファンの一部がコンサートに足を運び、収益が上がる。

金融商品から携帯電話のお徳プランまで、どんなモノやサービスでも、えてして価格は原価ではなく心理学を基に決められる。

無料の基本版のユーザーが19人いる。しかし、一人の正規版のユーザーがいれば、19人の無料ユーザーがいてもコストを回収することができる。

ミュージシャンの多くは不正コピーを受け入れてきた。そこには、創造性を発揮できるから・より多くの人に自分達の曲を聴いてもらうことができるからという、利益を抜きにした純粋な動機がある。

キャッシュバック:それは、もともと製品に組み込まれているのかもしれないが、我われは一時金を受け取ったかのごとく、キャッシュバックされた資金を特段必要と感じていないモノに使う傾向がある。

賢い会社は通常のお金の流れを逆にする。モノやサービスを無料にしたり、他の会社が料金を取るものに料金を支払ったりする。起業家が価格について創造的に考えたことで生まれたものである。

家族や近所付き合い、職場でさえも、モノやサービスをやり取りする時には、いまだに寛容・信頼・善意が通貨の役割を果たしている。友人の間には貨幣は必要ない。


クロポトキン:「人に何かを上げることは、お金のためではなく自己満足のためだ。」
贈与経済は市場経済よりも人間の自然状態に近い。

既存のビジネスモデルの経済的意味を消滅させること。つまり、タダにしてしまうこと。
表面はタダだが、違うところで上手く収益が出るようなモデルをもってくる。

イノベーションは既存の製品・サービスが希少価値のために高騰せざるを得ない状況にあって生み出されることが多い。
ここで、資源を例に見ると、過去においてスズの需要が逼迫した時代があったが、それにかわる代替物が現れたためスズの価格は減少することになった。

水が常に低いところへ流れるように、経済も潤沢なほうへ流れた。あらゆる製品は普及により価格が下がり、企業は儲けを求めて新しい希少性を探した。潤沢にあるモノのコストが底値まで下がるとき、その商品に隣接した別のモノの価値を押し上げることがある。

最初に値がついていたものを無料にすると、我われは質が下がったと感じるだろうが、最初から無料のものは質など代わらないと感じる。

お金を数セントでも払う商品に対しては、広告主は無料の商品の5倍もの広告料金を払ってもいいと思っている。それだけ、有料雑誌にも魅力はあるということ。(たしかに無料雑誌の広告に目は留まりにくい。)

価格がゼロにおける需要は、閣下苦が非常に低い時の需要の数倍になる。ゼロになったとたん、需要は非曲線的な伸びを示す。

若い頃は、お金は無いが時間はたっぷりあるのでため、時間がかかっても無料でDL使用とする。大人になると、お金はあるが時間が無いので手っ取り早い有料DLを選ぶ。

車がタダになるビジネス
電気自動車のバッテリーを無料でリースする。走行距離に応じて、ガソリン価格の80%程度の値段を請求する。電気料金がガソリンの10%ならば(実際それぐらい)、ガソリン価格の70%が利益となる。リッター10kmとし、年間1km走行するとして、1000リッター。ガソリンの価格がリッター100円とすると、年間7万円の利益を得ることができる。

アイデアとは究極の潤沢な商品であり、伝達のための限界費用はゼロである。アイデアが生まれると自ら広く遠くへ伝わることを望み、触れたもの全てを潤沢にする。
コモディティ化(誰もが得られるレベル)した情報は無料になりたがる。カスタマイズされた情報は優良になりたがる。

医療ソフトウェアの無料化
ソフトではなくデータを売る。一人の患者のデータは複数の機関に売ることが可能。患者一人のデータが500ドルで200人に売れれば、10万ドルの利益を得ることができる。

昨今のベンチャーは、フリーを利用し、自分のアイデアが上手くいくかどうかを確かめ、徐々に資本を増やし、大きな機関に買ってもらう戦略をとる。

グーグルの電話番号案内無料サービス:利用者が電話番号を問い合わせるたびに、グーグルは音声データを蓄積していく。このデータを基に、音声認識のアルゴリズムを解析・構築し次の事業につなげていく。

グーグルニュースに関する初期の調査から、それを利用する人はそのあとで検索を利用したときに、検索連動型広告をクリックする割合が、平均の2倍あるとわかった。
下手にバナーで広告を流すよりも、サイトの名前だけのほうがクリック数は上がるだろう。

講演会をオンラインでタダで配信してもチケットが高く売れる理由
TEDカンファレンスなどの敷居の高い講演会は招待性であったりするため、一般人ではチケットをなかなか手に入れられない。プレミア効果。また、ネット配信では得られない、出席者との生の接触・会話を体験できるのも魅力である。

ウィキペディア
最近は馬鹿に出来ないほどの内容を含蓄する。直接収入を度外視したことにより、集合知という計り知れない価値を大きく増やした。

グーグルの広告:従来の広告は、その商品に関心がありそうな10%の師調査に届けるものであったが、グーグルの広告はソフトウェアを使うことで、商品に関心がありそうな90%の視聴者に届けられる。前者では90%がイライラするのに対し、後者では10%しかイライラしない。

これからの音楽ビジネスはライブへと流れ込む。ライブでしか味わえない感動を上手く消費者に売り込んでいく。


教科書がタダになる仕組み
160ドルの教科書を売ると105ドルの純益になる。しかし、1クラス100人としてそのうちの75%(75)が教科書を購入し、翌年には中古の教科書があふれるため50冊に売上が落ちる。さらに翌年には15冊に売上が落ちる。ここで、無料版を普及させるとどうなるか。無料版に加えて、章ごとに区切ったも版用意し、より気軽に購入できるような戦略をとる。

ビジネス書の無料化
限界費用の低い(2ドル程度)デジタル書籍は、限界費用の高い講演やコンサル業務のためのマーケティングになる。消費者は全般的なアイデアを無料で得られる。しかし、特定の会社や業界向けの会議にカスタマイズされたアイデアを知りたい場合は、著者の稀少な時間に対し料金を払う必要がある。

タダの自転車貸し
パリでは登録料(11ユーロ、年間29ユーロ)を払えば、有効期間内に何回でも30分以内無料で自転車が利用できる。一方、ブリュッセルでは、年間10ユーロで会員になれたが、使用ごとに0.5ユーロ支払わなければならない。この0.5ユーロのため、多くの人は自転車を利用せず、プロジェクトは失敗に終わった。また、パリでは2万台もの自転車を用意した点も効をなしたと考えられよう。
人々は固定料金を支払えばあとは無料になるほうを好む。

ひとたび基本的な知識や娯楽への欲求が満たされると、私達は自分の求めている知識や娯楽についてより正確に把握できるようになり、その過程で自分自身のことや自分を動かしているものについてもっと学ぶことになる。それが最後に私達の多くを、受身の消費から、創作に対する精神的報酬を求める能動的な作り手へと変えていく。

よいものを推薦すれば、読者の信頼を得られるし、推薦されたほうも信頼される。信頼がトラフィックを生み出す。

大学の授業がタダ
授業ではなく、教授に質問をし、アイデアを共有し、指導を受ける権利が大学に所属することの意義。学生のネットワークの構築、助け合いを築くこともまた大学でしかえられないものである。

数百万点の中古品をタダで提供
いらなくなったソファーなどを回収するサービス。改修した品物を無料で第3者に提供する。ビジネスにするとしたら、送料の内に手数料を加算すればよい。
私達が報酬無しでも喜んですることは、給料のための仕事以上に私達を幸せにしてくれる。創造的かつ評価される方法で貢献する機会は、マズローがすべての願望の中で最上位に置いた自己実現に他ならない。何かに貢献し、影響力を持ち、何かの達人であると認められたとき、幸せを感じる。

タンポポの視点から見れば、ここの種子の損失は重要ではない。タンポポは唯一つの貴重な自分のコピーを世話して、それがやがて自分のもとを離れ、生育に最適な環境へと到達し、そこで家系を永続させることを望んだりはしない。タンポポが望むのは、あらゆる繁殖の機会を利用することである(無限の可能性にかける)

中国の偽物ブランド品
今や中国には25万人の億万長者がいて、その数は毎日増えている。これに伴い、本物の高級ブランド市場も成長し、現在は世界で3番目に大きな市場となっている。偽物は満足を与える以上に需要を喚起しているといえよう。

物質的豊かさがもたらしたもの(古代のアテネ):生きる目的を奪ったのではなく、生きる意義の欠乏を作り出した。この欠乏状態が、人々を科学と創造性の探求へと先導した。

海賊行為がフリーを助長する。中国はある意味で世界に新たな可能性を提供してくれた。

企業家にとって今が革新を起こすときで、それは新しい製品だけでなく、新しいビジネスモデルを考え出すことでもある。

社会をかえるを仕事にする

社会をかえるを仕事にする

ナイチンゲール:統計の専門家。クリミア戦争においても、戦闘で死ぬ兵士よりも病気で死ぬ兵士のほうが多いことを発見した。それも、数学的に。

中年の人間が市場を占めているところでは、まだまだイノベーションの可能性がある。
多様性を盛り込んでみるのも一つの手段。

公務員には公務員用の、商店街の親父には親父用の、富豪には富豪のプロモーションが必要。それぞれのニーズを明確に捉える必要がある。

国・市からの補助金⇒補助金を支払っているぶんだけ、利益を押さえ込ませる。利益を出すなといわれで、奇想な戦略を思いつくのは難しい。

メディアの露出の仕方には注意が必要。自分の企業のマーケティングをしっかり行わなければいけない。ともすれば、露出が逆効果ともなりうる。

保険収入モデル:いまや、健康保険に限らず、多くの保険が存在する。それは、心身・家族のサービスだけでなく、携帯電話・電家製品にまで波及している。
(統計学的に算出し、利益が見込めるようであれば導入するべき。)

プロボノ:欧米では。弁護士や会計士などのプロフェッショナルが、仕事の時間の数パーセントを非営利活動に使うことが一般化されている。

国にぱくられて一人前。それぐらいの気持ちでいかなければならない。

心の安心・家庭の安心が得られる環境にあって、人間ははじめて創造的になれる。

嫌消費世代の研究

嫌消費世代の研究

新人類 断層世代 団塊ジュニア世代 バブル後世代 少子化世代

収入が増えても支出を抑える若者:表面的には買い物好き。しかし、収入の増加に見合っただけの支出をしない。

断層世代の若かりし頃:消費が嫌い、自動車やAV危機をほしがらないというのは、仲間や世間に認めてもらえないということ。自らの自己実現欲求を否定することであった。

自動車産業:鉄鋼や電子部品などへの産業の波及効果が高い。4輪車関連産業だけでも3700億円近くに達する。
自動車の保険:年間10万円。結構な消費。

現在の嫌消費が下の世代に波及する影響、さらに子供の世代に波及する影響を考えると、日本の未来はかなり危ない。

バブル後世代の特徴
親が断層世代。最低限企業内での雇用が確保され、年金でも需給総額が負担総額を上回る層。親の世代は美味しい思いをしてきたという観念を持ちやすい。
他者志向:人間関係を広げたい、他人のために役立ちたいといった意識が高い
 競争志向:競争よりも協調が大切だと思う比率が低い。とりわけ、女性にこの傾向が顕著に現れている

エリクソンの発達モデル
 乳児期:基本的信頼vs基本的不信
 幼児期初期:自律性vs恥、疑惑
 遊戯期:自主性vs罪悪感
 学童期:勤勉性vs劣等感
 青年期:同一性vs同一性の混乱
 性器期:親密vs孤立

バブル後世代以降のいじめは、加害者と被害者が日替わりであり、いつ自分が標的となるかわからなかったため、他人を信用できない気質を持つに至った。


嫌消費の要因:世代による影響(x二乗検定OK)、収入見通しの悪化(OK)、非正規雇用の労働者の増加(OK)、不安などの精神的な影響(OK)

将来の収入増加が見込めない+年金受給額の低下⇒貯蓄を増やし老後に備える。

ディルタイの世代論:生きること、具体的な性の体験という視点から時代精神をとらえる。そのためには与えられた生の現実から出発しなければならない。ディルタイは時代精神を知識・感情・意志の連関においてとらえ、価値体系の表現である芸術や文化の内に時代精神を了解することができると考えた。

マンハイムの世代論:世代とはほぼ同時代に生まれ、同じ様な体験をし、同じ様な価値意識を持つ社会集団である。文化は世代によって継承されるだけでなく、革新されもする(言葉使いなど)。世代は同じ共通意識を持つが、政治や文化などで同じ態度や行動をとるわけではない。

オルテガの世代論:各世代は歴史において約30年の活動期間を持ち、その前後の別の世代と15年間重なりながら連結する。したがって世代は15年ごとに革新される。

日本の世代は、生活や消費などの価値体系・文化の継承よりも、それらの「創造」から大きく寄与を受け、変化を促進する機能を果たしている。それは世代スパンが短いからであり、欧州より3~6倍速いと推定される。

循環的な不況:他社との値下げ競争に対応できるコスト競争力を養い、需要の回復を待てばよい。しかし、現状のままでは、いくらコスト競争力をつけても、消費者の収入増加を待っても、バブル後世代には買ってもらえない。
⇒マーケットはバブル後世代の新規ニーズの掘り出しかバブル後世代をターゲットからはずした戦略などをとる。

商品カテゴリーのサイクル
導入期(潜在需要)⇒成長期(活性需要)⇒成熟期現在需要)⇒衰退期(停滞需要)
製品導入において、潜在需要でどのようなヒトを介しプロモーションしていくかはかなり重要。製品の成功・不成功はその後の活性需要に現れる。

ほしいものはすぐに買わず、価格が落ち着いてから購入する⇒年間で20%も価格が落ちる。収入の少ない若者にとっては魅力的に映る。

今後のマーケットの戦略
○世代によるセグメンテーション(顧客の階層、製品のヴァリエーションを分析)
○商品カテゴリーに基づく対応(世代ごとに商品嗜好が異なる。バブル後世代の3種の神器はファッション、食、家具・インテリア)
○商品の顕示性(顕示性のマイナス効果を中和化するプロモーション)

一番大切なのは精神革新。自分の有能さを革新し、自信が生まれると、不安が軽減され、より楽観的な収入見通しを持つようになり、他者の評価におびえることも軽減され消費刺激が活性される。

新しい消費文化の育成
勤勉と節約を徳とする世代のニーズはどこに向かっているのかを把握する必要がある。有形物から無形物へと、そのニーズは変ってきている。

黒いスイス

黒いスイス

ロマ族への偏見:ロマ族はインド北西部が起源であるといわれている、流浪の民族。流浪であるが故、スイス国民から煙たがられる存在になった。そして、優性学的に、ロマを隔離・監視しようという政策がスイス政府により執り行われてきた。

第二次世界大戦でのユダヤ人の排除:スイス政府は、外来のユダヤ人により経済が占領されることを嫌い、ドイツと掛け合ってパスポートに「J(judi;ユダヤ)」のスタンプを押し、ユダヤ人の排斥を進める政策をとる。 そんな彼らを救ったのはスイス人(スイス政府ではない)

第二次世界大戦後、スイスもすぐに核計画を考えていた。

核拡散防止条約;1968,6国連で採択。発行は1970

かつてのスイスは、産業が乏しく、戦争に出兵することぐらいでしかお金を稼ぐことができなかった。このためか、スイス人は互いを相互監視し、相手をあまり信用しない気質があるようだ。

麻薬投薬者の治療;より依存性の低い麻薬を配布することで、徐々に薬物中毒を是正していこうとする試み。この手法は、スイス以外にオランダでも取り入れられている。

自国への難民流入増加による治安の悪化、経済的受け入れの欠乏を考慮し、スイスは一時的にしか難民を受け入れない。


※「ブランド王国スイス」も参照

コンテキスト思考

コンテキスト思考

ロジカルシンキングなど、MBA関連の経営手腕は流行れば流行るほどその有効性は失われていく。

周りとは違う「おもしろい成果」を生み出し、コンテンツ傾倒による差別化不全を突破する鍵がある。

コンテキストは物理的に認識できず、主観的に理解されるため、受け手が主観的に感じる必要性のある曖昧なものである。

GEの経営指標重視型の事業ポートフォリオ手法やP&Gの定量分析を核としたマーケティングリサーチ手法は、もはや常識。コンテンツを基軸にして論理や分析を展開することで物事を解釈し、意思決定していく方法派過去のものといわざるを得ない。

マネジメント:クラフト=経験 アート=直感 サイエンス=分析からなる。全ての能力が必要となる。

表面的に見えているコンテンツの反対側、そこに隠されているコンテキストを探る。TPOは勿論のこと、誰とそれを解決していこうかによっても、発想・意思決定・行動の方向性が大きく変わってくる。

数字の背景にあるコンテキストを常日頃から探っていくこと。これが、周りが思いつかない発想をもたらす。

羽生善治:定跡はただ記憶するだけでは実践ではほとんど役立たない。そこに自分のアイデアや判断を付け加えて、より高いレベルに昇華させる必要がある。

振れない自分軸と向き合って意思決定することの重要性。
ぶれない自分軸をもち、自分にとって真に望ましい意思決定を敏速に貫徹して行うこと。

正しいことよりも共感してもらえることが大事。一つの目的に対して共感している集団では、一々指示を与えなくても自発的に動いていく。

とがった構想などの自分の考えを周りと共有することが不可欠。論理的に関わるだけではなく、感情的にも胸が躍ったときのほうが、吸収量はおおきい。
無意識の中での判断や行動派、意識的な判断や行動よりも、創造性に富む。バタイユ的。
しかし、その創造性を上手く自分でコントロールできないと垂れ流し状態になってしまう。
周りに優秀な汲み取りやさんがいると頼もしい。

複数の物事の関わり合いを分析する中で、対立関係がみつかったら、その対立関係の裏側に補完の関係性が無いかと仮説を立ててみよう。ここで重要なことは、連関があると最初から決め付けて取り組まないということ。

サンプルベースでも構わないので、現場に足を運び、そこで起こっていることを観察することで、無意識の世界に触れることができ、そこにある「関係性」のコンテキストの存在を理解することが求められる。

まだ誰も踏み入れたことの無い領域への挑戦にあって、過去の前例などに頼ることは出来ない。信じることができるのは己のみである。

価値観によるぶれない自分軸を基準に判断することによって、自らに最適な物事を素早く選択することができるようになる。

機能的に価値が高い割り切りの仕事であると明確に意識して、腹を決めて取り組む。

ワタミの渡邉氏:「0と1の間は、1と99の間よりも広いと思う。最初の一歩を踏み出すことはそれほど価値がある。」

ありたい姿を数字や文字で表す目標に落とし込む際には、大前提として果たすべき使命を理解したうえで、その達成にむけた目標を落としこむ必要がある。物語による伝達。

欲望を阻む壁があると、物語の推理力が生まれてくる。物語を使う際には論理を守っているかを常に確認する必要がある。

教養がある者:社会のために何が出来るかを知っている状態、あるいはそれを知ろうと努力している状態。

これからの時代に必要なのは、知識を幅広く、そして深く理解し、その上でそれらを統合して捉えて全体像を理解すること。


教養を身につけるためのコツは「周りの物知りとディスカッション」すること。その道のプロだけでなく、その分野を良く知る知人と広く交わることが大切。
多様な知識を得られるだけでなく、それらを構造的に、そして総合的に捉えて「全体像を想像する資質」が磨かれる。

リベラルアーツ系大学:少人数制の教育。学生は専門領域を絞らずに、自然科学と社会科学を跨いで学ぶことで、多様な知識とそれを統合的に捉える能力を磨くことを奨励している。

「あたりまえに感謝すること」周りの人の良い部分を吸収し、自分自身の能力を成長させるに至るべし。

サービスブランディング

サービスブランディング

韓国や中国の企業も、今や低コストを武器に、急速に品質を向上させてきている。
欧州企業は生産現場における細かい技術論よりも、デザインなど顧客の目に見える部分での差別化された表現力を強みとして付加価値の獲得を図っている。

日本のサービス業は、時間の正確さや顧客への丁寧な気持ち、細かいもてなしなど、世界最高レベルのものがある。標準化を推し進めることで、日本的なサービスの持つ強みを失ってしまうのはもったいない。

ブランドの価値:損得や利便性といった機能的評価だけでなく、好きになれるか、ピンとくるか、自分にあっているかなど様々な心理的要素や感情的要素も重要となる。

購入前の期待と購入後のギャップがあまりに大きい場合は、満足度は大きく引き下げられる。反対に出来ないことを明確化することで、顧客に下手な不満を抱かないでもらうことも重要。

ブランドも顧客を選ぶ:どういう顧客が利用しているかが、そのサービスブランドの品質を決める場合もある。

ターゲットを明確に絞ること。全ての顧客の満足を満たそうとして邁進しても成果は上がりにくい。

ブランドの真実の瞬間をマネジメントする上で重要なのは、購買前、購買時点、購買後において、どの接点が顧客に重視されるのか、顧客接点ごとにブランド価値のどの要素を強調していくのかという点。

無形性:差別化の難しさ 変動性:品質管理の難しさ 複合性:見極めの難しさ 継続性:応え続けていく難しさ

ブランディング:誰に対して何をどのように提供するのかという提供価値の約束を、送り出す側の従業員と受けて側の顧客の双方が、きちんと納得・理解して「良質な体験」をつくりだす共同作業を指す。

事業領域⇔人材用件⇔提供過程 ブランドの約束に求心力を生み出すトライアングル。

サービス商品⇔価格⇔人⇔販売促進⇔物的環境⇔流通 遠心力を生み出すヘキサゴン

プロモーション:ウェブ2.0時代になって、利用者の発信力は爆発的に向上した。企業側としては、それを傍観するのではなく、常にモニタリングし、自社の戦略を考えていくべきである。

店舗×契約型市場:契約に向かう心理的な壁を越えさせることが重要となる。
無店舗×非契約型市場:コアサービスにどのようなサブサービスを孵化して差別化するかが重要となる。
無店舗×契約型市場:顧客に信頼されうる人材の資格・技能レベルが重要となる。

これまでの事業スタイルの成功体験に固執することなく、顧客のレンズを通して常に見直し・改善しながら、時に市場ドメインを拡張するような判断が求められる。

店舗×非契約型サービス
・サービスを利用するために必ず店舗まで足を運ぶ必要がある。
・店舗を訪れることにより、五感全てでブランドを体験する。
・顧客と契約を結ばないため、顧客の浮気を容易に生じさせる。
・一回のサービス利用が終わるたびに、自社との縁が切れるリスクがある。

ブランドの約束・理念と結びついた体験が、消費者の頭の中でしっかりと輪郭を持って蓄積され、他のブランドよりも早く、より強く想起されることを助ける。

現場の体験:実際にどのようにして商品(サービス)が提供されているかを経験することで、自分がなすべき事を現場の経験に照らし合わせて考えることが出来るようになる。

安さで顧客を得られる商品と信頼で顧客を得られる商品がある。前者は価格競争に陥り、継続して顧客関係を築きにくい。

スタッフの主人公化:自身の存在意義が感じられる場所でこそ、人は前向きに働ける。

店舗=作用点 ブランド=支点 企業=力点
力点で企業がそそぎ込んだ力を、作用点での顧客の満足に正確に変換するためには、支点の安定性が必須になる。ブランドに一貫性が無い=支点が不安定であるようならば、作用点で生じる力=体験が四方に発散しかねない。

店舗×契約型サービス
新規顧客は店舗空間・デザイン・スタッフの様子・顧客層など、サービスを取り巻くあらゆる接点からその内実を嗅ぎ取ろうとする。

基本的に、結果が出るまで期間を要するサービスが多いため、二の足を踏む人が多い。お試しコースなどの「クイク・ヒット」的な領域を見つける必要がある。

語学スクールでは、出席動向・習熟度をみて、適時に新しいクラスの設定や顧客対応を図ることにより、生徒を飽きさせない配慮をしている。

ストーリ性をうまく使い、心理的に継続したくなるような仕掛けも必要。

河合塾:従来の大学進学支援に加え、高校や大学への講師派遣による教育支援も始めている。「一人ひとり」にこだわり、生徒の息遣いや眼差しがわかる対面授業を守り続けようとしている。
収益の大半は世の中的には究めてニッチな層である。その特殊なニーズ・心理状況に業者が深く肩入れするほど、その他一般の層に取り組むことが難しくなる。マネジメントの重要性。

ティップネス:気軽に楽しくがコンセプト。汗臭くない、がんばり過ぎないイメージを演出しながらボリューム層を獲得していった。
体験型商品「Dr. Fitness」顧客の置かれた状況に応じて最も適切なプログラムを推奨するもので、これにより顧客は体験入会時に究めて納得性の高いサービスを受けることが出来る。

顧客サイドと店舗サイドの要求事項を上手く管理しなければならない。
信頼→接客対応 納得→理解促進 親密→個的ケア といった具合。

印鑑を押す、署名を行う作業が伴う時、たいていは一抹の躊躇にかられたりする。契約とは簡単な行為ではないからこそ、信頼を基盤に据えて、理解を深め、親密さを感じるに至るステップを構築することが重要となる。

目標の明確化→成果の是非→目標達成後の判断→習慣化…場への所属→成果の要求→顧客



いったんそのサービスの顧客になった以上、ハード要素にはそこまでこだわらなくなる。その反面、十分なサービスの幅や新たなサービス提案などが担保され無い場合や、馴染みのスタッフや友人がいなくなると途端に顧客離れが進む。

無店舗×非契約型サービス
中核となるコアサービスを明確に定める一方で、効果的にサブサービスを組み合わせることで他者がまねできない優位性を実現することが必要となる。
サービス開始当初から、将来的な事業展開の方向性、すなわち複合性の持たせ方や方法論を織り込んでいくことが望ましい。

誰にでもその中身がイメージしやすい「テーマ」自体が、顧客の潜在ニーズを掻き立てる「言葉」の役割を果たしている。

商品ごとに顧客満足度や要望をつぶさに把握するための仕組みと、要望をすぐに商品に反映できる体制を持つことができれば、趣味・嗜好に基づいた「テーマ」という括りにより、効果的な商品改善サイクルを構築することが可能となる。

エコースタッフ:情報誌の配送業務などを通じて、他の会員の声に会員と同じ目線で直接耳を傾け、その意見や要望を本部に伝える役割を担っている。

新しい団塊の人たち:音楽や演劇・映画などのエンターティメントに加えて、「学び」にも大きな興味を持っている。 座学で知識を習得し、その場に足を運んで実感する。

一休.com:一流のホテル・旅館に特化したサービス提供
大衆的なものはマーケットが大きく、魅力的ではあるが参入しても勝てない可能性が高い。
森社長:「一人で会社を興して半年たつ中で、常に『取引先はどこか』と聞かれた。そこで、名も無いベンチャー企業、零細企業にはすごい取引先はついていないと気付いた。逆に世の中のブランド企業とくっつけば、効率よく強いブランドが構築できるのではないかと思うようになった。」一休とは相手先ブランド利用型ビジネスである。

一部屋の空きに対し、10のプランを提供する(朝食の有無、夜食の有無、連泊割引の有無など。これだけで8通りの可能性をうみだせる。)

重要なことは、潜在ニーズを最初の段階から掘り起こすための効果的な商品セグメンテーションを行うこと。
顧客にとっての「入り口」の複合化を高度に実現する方法論の構築。(アマゾンのreview)
プレーヤーの複合化:サービスを生み出す基点を、顧客以外の仕入先や代理店などの他のプレーヤーに拡張し、サービス向上の「幅と深みの可能性」を広げていく。

無店舗×契約型サービス
参入障壁が低く、多数乱戦状態になりやすいのが特徴。初期投資が少ないことに加え、一定の顧客基盤を持つ企業にとっては利用者数の想定ができるためリスクも低い。

成功したサービスブランド:創業者からの生い立ち、立ち上げの苦労話、事業に対する熱い思いなどが、伝説のように語り継がれている。このような、創業者の熱い思い、経営理念の存在が、無店舗×契約型でサービスにおいて、顧客の共感を獲得し、自分のライフスタイルにふさわしいブランドとして選んでもらうための重要な指標となる

普及度とプレミアムイメージは反比例の関係になりやすい。急激な売上の増加を追わないのも戦略のひとつ。

一対一かつ無店舗であるがゆえ、提供側のサービスがエスカレートしてしまい、顧客と企業の関係を逸脱してしまうこともある。

非店舗型で初期投資を抑えやすく、利用者を見込みやすい契約型だからこそ、新規事業を素早く立ち上げた上で、少しずつ手直しをしながら育成する手法も可能。

過剰品質になる危険性:顧客の厳しい要求にこたえればこたえるほど、顧客の期待値が上がってしまうため、満足水準を維持するために、ますます付加価値の高いサービスを提供しなければならなくなってしまう。これについては、短期的には企業として顧客に約束できる範囲を明確に伝えながら、長期的には、「将来のサービスヴィジョン」と「マイルストーン(強化計画)」を企業と顧客が共有していくことで、顧客と共にサービス内容を進化させていくことが可能となる。

オイシックス:顧客の大半は都会に住む働く女性。有職者が3/4を占める。
からだに良い食品を中核にしながら、「食卓に笑顔を」という理想のもと、利用者にとって何が便利で、オイシックスはそれに対してどう役立てることができているかという視点から、取り扱う商品カテゴリーを有機的に拡大している。
日常的に購入する商品を「MYセット」として登録しておき、普段必要な食品を自動的に注文しておくことが可能なサービスも提供(富裕層向け)
新規の商品を投入する際には、かならず「おいしっくすっぽい」ストーリーをそこに含蓄させる。
利用するタイミングが訪れるまでに、様々な方法で顧客開拓の地盤を築いておくことも大切。(塾ならば、小中高の一貫体制。)

自らカテゴリーをつくり、ナンバーワンであり続けることが、顧客の維持及び開拓の両面で武器となる。同じ事業を展開している企業は無い。これが理想。

業績管理の先行指標の視点を「企業のレンズ」から「顧客のレンズ」に切り替えることは、部門間の垣根を低くし、共通言語をもたらす結果となり、ブランドの約束を実践するために必要な機能横断的活動がずっとやりやすくなる。

日本企業の3類型
相撲型:日本伝統の年功序列で、親方の言うことは絶対の組織。
野球型:選手一人ひとりの役割が決まっており、監督のマネジメントで動く組織(バントや盗塁、敬遠の支持などを下せる)
サッカー型:チームプレイであるが、ベースは個人能力。監督の介入は少ない組織(フォーメーションの設定はするが、基本的には選手の自己判断に委ねている)

サービス従業者の満足感とブランドへのロイヤリティが原因変数となって、従業員定着率と顧客満足を高め、結果として高収益性を導いていく。連鎖モデル

現状とあるべき姿のギャップを把握し、最適な道筋を描くこと。
GEのワークアウト:マネージャも参加して、改善策を決定していく。