2010年9月29日水曜日

嫌消費世代の研究

嫌消費世代の研究

新人類 断層世代 団塊ジュニア世代 バブル後世代 少子化世代

収入が増えても支出を抑える若者:表面的には買い物好き。しかし、収入の増加に見合っただけの支出をしない。

断層世代の若かりし頃:消費が嫌い、自動車やAV危機をほしがらないというのは、仲間や世間に認めてもらえないということ。自らの自己実現欲求を否定することであった。

自動車産業:鉄鋼や電子部品などへの産業の波及効果が高い。4輪車関連産業だけでも3700億円近くに達する。
自動車の保険:年間10万円。結構な消費。

現在の嫌消費が下の世代に波及する影響、さらに子供の世代に波及する影響を考えると、日本の未来はかなり危ない。

バブル後世代の特徴
親が断層世代。最低限企業内での雇用が確保され、年金でも需給総額が負担総額を上回る層。親の世代は美味しい思いをしてきたという観念を持ちやすい。
他者志向:人間関係を広げたい、他人のために役立ちたいといった意識が高い
 競争志向:競争よりも協調が大切だと思う比率が低い。とりわけ、女性にこの傾向が顕著に現れている

エリクソンの発達モデル
 乳児期:基本的信頼vs基本的不信
 幼児期初期:自律性vs恥、疑惑
 遊戯期:自主性vs罪悪感
 学童期:勤勉性vs劣等感
 青年期:同一性vs同一性の混乱
 性器期:親密vs孤立

バブル後世代以降のいじめは、加害者と被害者が日替わりであり、いつ自分が標的となるかわからなかったため、他人を信用できない気質を持つに至った。


嫌消費の要因:世代による影響(x二乗検定OK)、収入見通しの悪化(OK)、非正規雇用の労働者の増加(OK)、不安などの精神的な影響(OK)

将来の収入増加が見込めない+年金受給額の低下⇒貯蓄を増やし老後に備える。

ディルタイの世代論:生きること、具体的な性の体験という視点から時代精神をとらえる。そのためには与えられた生の現実から出発しなければならない。ディルタイは時代精神を知識・感情・意志の連関においてとらえ、価値体系の表現である芸術や文化の内に時代精神を了解することができると考えた。

マンハイムの世代論:世代とはほぼ同時代に生まれ、同じ様な体験をし、同じ様な価値意識を持つ社会集団である。文化は世代によって継承されるだけでなく、革新されもする(言葉使いなど)。世代は同じ共通意識を持つが、政治や文化などで同じ態度や行動をとるわけではない。

オルテガの世代論:各世代は歴史において約30年の活動期間を持ち、その前後の別の世代と15年間重なりながら連結する。したがって世代は15年ごとに革新される。

日本の世代は、生活や消費などの価値体系・文化の継承よりも、それらの「創造」から大きく寄与を受け、変化を促進する機能を果たしている。それは世代スパンが短いからであり、欧州より3~6倍速いと推定される。

循環的な不況:他社との値下げ競争に対応できるコスト競争力を養い、需要の回復を待てばよい。しかし、現状のままでは、いくらコスト競争力をつけても、消費者の収入増加を待っても、バブル後世代には買ってもらえない。
⇒マーケットはバブル後世代の新規ニーズの掘り出しかバブル後世代をターゲットからはずした戦略などをとる。

商品カテゴリーのサイクル
導入期(潜在需要)⇒成長期(活性需要)⇒成熟期現在需要)⇒衰退期(停滞需要)
製品導入において、潜在需要でどのようなヒトを介しプロモーションしていくかはかなり重要。製品の成功・不成功はその後の活性需要に現れる。

ほしいものはすぐに買わず、価格が落ち着いてから購入する⇒年間で20%も価格が落ちる。収入の少ない若者にとっては魅力的に映る。

今後のマーケットの戦略
○世代によるセグメンテーション(顧客の階層、製品のヴァリエーションを分析)
○商品カテゴリーに基づく対応(世代ごとに商品嗜好が異なる。バブル後世代の3種の神器はファッション、食、家具・インテリア)
○商品の顕示性(顕示性のマイナス効果を中和化するプロモーション)

一番大切なのは精神革新。自分の有能さを革新し、自信が生まれると、不安が軽減され、より楽観的な収入見通しを持つようになり、他者の評価におびえることも軽減され消費刺激が活性される。

新しい消費文化の育成
勤勉と節約を徳とする世代のニーズはどこに向かっているのかを把握する必要がある。有形物から無形物へと、そのニーズは変ってきている。

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